小論文講座

コピペ思考が世界の国民をバカにしていく

 

コピペ思考とは何でしょうか?

日本経済新聞で掲載された記事を引用します。


-------------------日経新聞より引用------------------------------------
パソコン画面で文章の一部分を複写し、別の場所に張り付けることを
コピー・アンド・ペースト(コピペ)と呼ぶ。ネット文明は離れた人と人を結びつけ、
知の化学反応を起こしてきた。しかし中には、検索で得た情報を頭の中に“張り付け”、
自分で考えたつもりになる「コピペ思考」に陥っている人もいる。
-------------------日経新聞より引用------------------------------------

コピペ思考というのは、コピー&ペースト、すなわち、
0から生み出すものではなくて、既存の知識をそのまま流用する思考、

もっと分りやすく言えば、考えない思考の事です。


ところでコピペ思考をする人、つまり考える事ができない知識バカ


と言ってしまえば、きつい言い方ですが、こういう人って頭がいいと言える
のでしょうか?





うーん、言えるともいえますが、ものを考える力が無い人は一般的には
あたまがいいとは言われないですよね?

なぜかと言うと、こういう人は、現実に起こっている問題に対処できないからです。
見当はずれな事を言います。

問題を解決する力が無く、間違った事を言います。
知識としての正解は、問題解決の正解とはなりません。


知識には正解があります。
日清戦争が起こったのは何年ですか?

という問いには正解があります。

ではこういう問いはどうでしょうか?

現在の冷え切った日中関係を改善させるにはどうすればいいでしょうか?

こういう問いに対しても、知識バカなら知識で対処しようとします。
つまり、国際関係を改善した事例を探し始めるのです。

もちろん、過去に学ぶ事も重要です。ところが過去に学ぶだけでは問題
解決の力が低いのです。

その大きな理由は、過去はあくまでも過去のことだからです。
昔の条件と今の条件、場所が違った場合や他の事例の条件が
今目の前にある事例と全く同じに一致すること等、現実の世の中では
ありえません。




車が衝突した時に人体に与える物理的な影響の力は、

トラックに乗っていた人と、軽四に乗っていた人と、ベンツに乗っていた人
では違うのは当たり前ですね?

またその時のスピードによっても違えば、対向車線の車と正面衝突したか
どうかなど、その時の状況によっても変わってきます。

ところが知識バカになってしまうと、このような条件の違いや論理の前提
を複数頭にイメージして思考することなく、

過去にあった事例や、データをそのまま目の前にも、何も考えることなく
安易に当てはめようとするのです。


実はこういう、コピペ思考の人を合格させにくくするのが小論文試験です。



実社会には正解がありませんから、ビジネスマンというのは考えることの連続
です。


考えて学んで、考えて学んで・・・こういう事を繰り返していくのが大人の仕事
なんですね。


小論文試験はこういう事が得意な人を選ぶ事ができる珍しい科目です。
その人の現実的な限定されない思考能力と、その結果導き出される
判断能力を総合的に判定できる珍しい試験です。



どういうことかと言うと、数学のように数字で限定された世界をイメージする
のではなくて、限定されていない現実の世界を手探りでイメージしながら
物事を考える力を試す事ができるという事なんです。

数学の問題は考える力を養成していると考える人がいるかもしれませんが、
数学の解法というのは大学受験のレベルに関して言えば、解法パターンの
暗記の結果生まれる発想力という域を出ません。

そもそも最初から解がある(解なしという解も含めて)問題を扱っている
のです。解が無い問いを考えさせていない限りパターン学習の域を超える事は
ありません。これはちょうど大工が家を建てる時にどの道具を使うか考えるような
ものであると、言ったのは、私が英語の講座でも紹介している伝説の東大生、
東大医学生の言葉です。

彼は問題を覚えれば東大の医学部も合格できると断言していました。
この時に使う頭の使い方も頭がいい人の頭の使い方には違いがありませんが
小論文試験は本質的に求められる頭の使い方が違います。

過去のパターン化された記憶ではなく、現実の世界をリアルにイメージ
する力、人の感情も含めて感じ取る頭の使い方をします。
それを言葉に置き換えるのが小論文試験での解答方法です。
こういう思考をしない人の点数は無難な点数(平均点か平均点以下、せいぜい平均点
よりも少し上くらい)になります。

そもそも、考えていないのですから正確な思考ができないのは当然すぎることです。


実は小論文の点数(配点)というのは↓こういう風になっています。

 


この図は講座の説明ページでも見た人がいるかもしれませんね。


今日はコピペ思考についてお話しました。
皆さんの小論文がコピペ思考の小論文にならないように気をつけましょう。

このコピペ思考を防ぐ、コピペ思考をしていないかどうか、
自分で考える力があるかどうかを見る事ができる唯一の科目が小論文試験です。


小論文試験でダントツの成果を出したい方にお薦めの講座は
7日間プログラム



事例)

今となっては伝説的な会社となったセブンイレブンホールディングス。
この会社を率いる鈴木敏文氏と言えば、日本を代表する経営者の一人です。

鈴木氏には多くの伝説がありますが、特徴的なのは、氏の思考法です。
まだ誰もコンビ二などという業態が存在しない時代に、小売店の生産性の
低さを指摘し、コンビニエンスストアという形態が絶対に流行すると、周囲の
反対を押し切ってコンビニを出店、日本中に急拡大させました。ローソンや
ファミリーマート、他のコンビ二はそれを追随した形となっています。

また他のコンビ二(ローソンやファミリーマート)が売上低迷に苦しんでいる時期も
鈴木氏は徹底したデータ管理で、過去に学ばず、現状の状況から未来を予測する
思考にこだわりました。その結果セブンイレブングループだけがダントツの
収益を確保したのは、有名な話です。データから導かれる単純なロジカルシンキング
ではなく、合理性を一見すると無視するような経営判断も彼はたびたび行います。

年間数億円使っても非合理的と思えるフェイストゥーフェイスの会議を行う為に、
日本全国からマネージャーを飛行機で本社に集めるなど、非合理的で何の意味が
あるのかと思える決断も、人を束ねるリーダーシップの影響と組織作り、今後何十年
とセブンイレブングループが勝ち続ける為の考え抜かれた戦略なのかもしれません。

鈴木氏の仮説が正解なのかどうなのか、日本のコンビ二業界でのセブンイレブン
グループの築いた地位を見れば、彼の経営手腕、思考法を否定する人は
いないでしょう。優れた思考をする力が際立っている事だけは間違いなさそうです。

コピペ思考をもしも鈴木氏が行っていたら、日本にはまだコンビ二は無いかも
しれません。このような伝説的な会社も生まれていなかったかもしれません。

鈴木氏の経営手腕と思考法は世界から注目され、2004年にはハーバード大学
で特別講義も行っています。

 

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