牛山です。
過去の出題傾向
例えば、2009~2013年の5年間の出題は次のようになっています。
2013年 これからの日本の針路
2012年 グローバリゼーション
2011年 日本をデザイン
2010年 介護労働者の離職
2009年 自民党と民主党のマニュフェスト
ただし、これはテーマの話なので、具体的にはどのような力が見られるかという点が大切です。
どのような力が見られているか
2012年 グローバリゼーション・・・メタ化して俯瞰する力
2011年 日本をデザイン・・・・・問題発見・問題解決
2010年 介護労働者の離職・・・論理的分析(問題発見)
2009年 自民党と民主党のマニュフェスト・・問題発見能力総合政策学部は、論理的に分析し、問題の解決策を立案するか述べる問題が多いです。
問題解決に必要な力
・ゼロベース思考
・分析力(論理的思考力)とはいえ、こんな力を今から磨くのは大変ですね。。そこで、分析系の問題が出た時のコツをお話しておきます。分析系の問題が出た時には、一つの事実だけで、性急な判断をしないように気を付けましょう。例えば、資料の内容から、
AはBである。
ということが分かったとします。
この時に、AはBなので、Cだ。
というように、すぐに自分の考えに結びつけると、短絡的な発想だと見なされることがあります。
なぜでしょうか?
(かなり基本的な小論文の超基本講座のようになってきているのですが・・・)
AはBである。
ということ(命題)が真だとしても、
だからといって、
AはBなので、Cである。
という内容(命題)が真とは限らないからです。
例えば、合格数が2000人いるという塾があったとします。
したがって、この塾は、合格させることができる塾であろう・・・
というのは、論理に飛躍があります。
不合格者が4000人いるかもしれないからです。
では合格率はどうなのでしょうか。
合格率が慶應に85%の塾があったとします。
したがって、この塾は、合格させることができる塾だ・・・
ということにはなりません。
なぜでしょうか?
さすがに今度はいいのではないでしょうか。
いいえ、よくありません。
その理由は、どのような条件で、85%なのかが分からないからです。
例えば、開成高校ですら、慶應大学の合格率は約40%です。
偏差値70台がゴロゴロいて、40%ほどなのです。
言い換えます。
日本最高の母集団、頭脳集団、受験超エリート集団で、
合格率40%ほどです。(受験勉強6年計画組です。)
つまり、この時点でなぜだろう?
と思わなければなりません。
短絡的に考えないというのは、こういうことです。
そもそも、塾の合格率は塾の指導品質だけが原因ではありません。
誰がそこにいるかは当然ですが、大事ですね。
生徒の学力、指導期間、合格先、併願状況、合格の直接的な因子等、総合的に考える必要があります。
相関と因果は別
相関関係があるからといって、そこに因果関係があるとは
限りません。したがって、資料で与えられるデータに安易に意味づけを
与えないということが極めて大切になってきます。※相関関係について考察させる問題が過去に出題されています。
相関について理解が少なかった人はネットでもいいので調べて
おきましょう。
事実と解釈の違い
例えば2013年度の慶應大学総合政策学部の問題では、
日本は今まで、状況に対応することで、成長してきた・・
というような意味合いの文章があります。
これはあるチームのスピーチ内容なのですが、これは解釈であって事実ではありません。
なんでもかんでも人が言うことを受け入れていると、正確に分析ができなくなってしまいます。
これは先日もメルマガでお伝えしましたね。
大切になるのは、FACTベース思考です。
日本がどのようにすることで経済成長してきたのかは、いくつかの説があるだけです。
正確に物事を分析する際には、あくまでも事実に基づき、事実から解釈を導いていくことが大切です。
それでは、どのように解釈していけば、論理的にズレの少ない解釈を導きやすくなるのでしょうか。
事実と理由のグルーピング化
当然ですが、
AはBなので、Cである・・・
という論理に漏れがある言説よりは以下のような言説の方が説得力が高くなる傾向があります。
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AはBである。その理由は大きく3つある。
理由(1)C
理由(2)D
理由(3)E
理由Cが成立するデータとして、F、G、Hがある。
理由Dが成立するデータとして、I、J、Kがある。
理由Eが成立するデータとして、L、M、Nがある。
以上、理由、C、D、Eより、AはBであると考えられる。
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※F~Nはすべて勝手な思い込みではなく、FACT(事実)です。
したがって自分の考察が思いこみの上に成り立っているのではなく、事実に基づき、事実から考察されており、同時に限りなく、事実の集積と≒の関係にあることになります。
事実と≒だからこそ、事実である確率が高いということです。必然的に説得力が出てきます。
慶應大学総合政策学部を受験する際に重要になる力
⇒自分の分析過程をしっかりと疑いながら、慎重に考察する力です。・ゼロベース思考
⇒ものごとを決めつけず、前例が無くとも大胆に物事を考察する力です。・分析力(論理的思考力)
⇒一つのデータからバイアスがかかった思考をするのではなく、
ぜひ参考にしていただき、明日の試験で力を出し切って合格してください!
がんばって!