はじめに・第1章・第2章・第3章・第4章・第5章・第6章・第7章・第8章・第9章・第10章・最後に Y 謙虚になれないことが敗因の根源的理由 (1)謙虚さと思考力の相関 謙虚になることができない場合、人は思考力が下がりやすいことが分かっている。謙虚になることができない場合、自分の考えが常に正しいと感じる度合が高くなる。(私は正しく、間違っているのはあなた)と考える癖が強い人は、自分が間違っている時にも、自分が正しいと感じるのである。事実に基づいて推論を展開できず、主観的に物事を考える傾向が強いことが分かっている。 (2)謙虚さと人間的魅力の相関 謙虚な人は尊大な人に比べた場合、人間的な魅力は強くなりやすい。これは言うまでもないことである。もしもあなたの前に、尊大な態度の人物と、謙虚な態度の人物がいれば、どちらに魅力を感じるかを考えてみれば分かる。 (3) 謙虚さとAO合格の相関 謙虚にふるまうことと、謙虚であることは同じようで違う。前者は謙虚を装い、後者は実際に謙虚である。謙虚を装っても、きちんと面接者を出し抜くことができて、面接ではあなたの性格が相手に伝わらないと感じているとあなたは感じるかもしれない。しかし、多くのケースでそのようなことはない。 謙虚さが失われると相手を見くびり、手のひらの上でうまく転がすことができると思うようになる。そういう考えが、言葉じり、表情、話し方等から相手に伝わる。面接の際には緊張することもあるかもしれないが、問題はそうやってうまい具合に出し抜こうとしていることそのものが相手に伝わることだ。これは相手を見くびっていることに他ならない。(特に面接では、ばれ易い) (4) 謙虚と成長の相関 謙虚な人は、成長も速い。人に指摘された点を素早く修正していく。その結果グングン実力が伸びる。もちろん、数学や歴史の場合、正解を導くことができればよいので、素直であることの意味は薄い。一方で小論文などのスキル型科目は、自分の至らない点を知り、改善することでしか伸びない。したがって人から何かを指摘されるとすぐにすねたり、嫌な感情になりやすい人はなかなか小論文の成績が伸びないのである。 また、英語などのスキル科目は、覚えさえすればいいが、海外留学などの恵まれた環境で学ばない場合、勉強のやり方がまずいとなかなか力がつかない。英語の勉強方法はもっとも氾濫しており、何をやっても実力がつくかと言えば、なかなかつかないものである。 (5) 謙虚さと実力の相関 かくして謙虚ではない人は、スキル型の科目の配点が、70〜100%を占める慶應大学の文系には合格しにくくなるのである。 「数学は暗記だ」という主張で有名な東大医学部出身の和田秀樹氏は、数学も暗記科目と同じように処理することで日本最難関の東大医学部に合格している。物理や化学も同様の性質があり、基本的にはどれだけ暗記しているかで合否が決まる。国語、英語、小論文等のスキル型の科目の配点は一般的には文系でも50%以下であることが多いが、慶應の場合は、70〜100%を占めている。慶應大学文系における実力とは配点比率の観点から言えば、スキルの度合いとも表現可能である。 (6)謙虚と合格率の相関 慶應大学進学専門塾である、「慶應クラス」という塾の主催者である私の経験から言えば、素直さと慶應大学文系への合格率にはかなり大きな相関関係がある。 (そんなバカな!!)とあなたは思うかもしれないが、素直な人は英語と小論文の力が伸びるからだ。私の言うとおりに勉強して、1年間しっかりやって慶應大学で合格点を取れない人はまずいない。(英語の実力がついているにもかかわらず、読み方や解答力の問題で一時的に点数が安定しない時期にパニックになって勉強を止める人はこの限りではない。ただし、この場合は素直というよりも、基本的にあまり素直ではなく信頼関係も薄いことが多い。) (7)入塾のお断り 場合によっては尊大な態度で接してこられることも入塾の段階であり、基本的に私はこの手の入塾依頼はお断りさせてもらうことも多い。仮に入塾を受け入れても、お互いが不愉快な気持ちとなり、さらに依頼者は不合格になりかねない。素直ではないということは、変わらないということである。成長を期待して入塾する際に成長しないことを前提としているのであれば、最初から入塾しない方がいい。
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