はじめに・第1章・第2章・第3章・第4章・第5章・第6章・第7章・第8章・第9章・第10章・最後に
はじめに
---------------------------------------------------------------------------------------- おかげさまで、娘が慶應義塾大学法学部法律学科に合格しました。 つきましては、妹の方も入塾という形でお願いできないでしょうか。 ----------------------------------------------------------------------------------------
このようにメールがある日届いた。私がサポートをしていた子の親御さんからの連絡である。私はこのご依頼に対して、丁重にお断りすることにした。 私がお断りした理由はたくさんある。一般的には、入塾したい旨の連絡があれば、どの塾もニコニコして対応するものである。しかし、私はお金だけのために働いているわけではない。受験生本人と、保護者の方が本当に望んでいる場合に、力になりたいと考えて仕事をしている。相手次第では、力になりたくてもなれないこともある。このケースでは、双方のことを考えてお断りすることにした。 私は慶應大学進学専門の塾を運営している関係で毎年多くの慶應大学合格報告を頂いている。「慶應大学絶対合格法」「慶應小論文合格バイブル」「小論文の教科書」「AO入試プレゼンテーション対策と合格法」などの本を執筆し、慶應大学合格戦略を提供している変わった仕事もしている。このウェブブックでは、このような知見も含めて、多くの慶應大学進学希望者を見てきた経験から、合格する生徒、合格しない生徒、合格させることができる保護者等々の違いも時に紹介しつつ、ご子息を慶應大学に合格させるアプローチについて解説したい。
T 慶應義塾大学の魅力 (1) 最もお勧めしたい大学 慶應大学は進学先としてもっともお勧めな大学だ。理由は大きく3つある。一つは子供の幸せである。過去数十年間の数万人を対象とした大規模な調査でも、慶應大学出身者の幸福度調査の結果は高い数値を記録した。
二つ目の理由は大学の実力である。国立志望者を増やす世間の風潮は強いが、政界、経済界、学問の分野での慶應出身者の活躍は大きい。どのような分野で将来活躍したい場合でも、大きな可能性がある。第三の理由は対策可能性である。東大、京大に合格する場合、合計学習時間が7000時間程度は必要になることも珍しくは無い。これ以下でも合格できるが、センスが相当いい人、頭が異常に切れる人でなければ少ない学習時間で合格するのは難しい試験になっている。一方で、慶應大学に関しては、やりようによっては、半年から1年で十分合格できる可能性がある。(もちろん試験は簡単ではない。)
試験内容を精査する立場にない人は、なんとなく試験の難しさを連想していることが多いが、その感覚は相当あいまいなことが多い。問題を解いたことも無ければ、解答例を作ったことも無い、実際に問題を解いたことも無ければ、この手の難しさや合格ラインを肌で感じることはできない。
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